〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.5【2003年夏号】 のMENUは・・・
■ ワイナリーひとり探検隊!「今回は畑についてのお話を・・・」
■ スタッフ紹介−志田祐啓(しだすけひろ) 副工場長編−
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ワイナリーひとり探検隊!「今回は畑についてのお話を・・・」
誘引された枝には新芽が・・・
「伸びる」力を持つ生きものを見るのは、本当に嬉しい気持ちになります。
 切れ目なくやって来る季節の中で敢えて区切りをつけるとしたら、葡萄造りの最初はどこでしょう?芽吹きの春か開花の初夏か。正解は、秋。収穫後すぐに行う“土”のサンプリングが、畑作業“その1”です。10月、全ての葡萄の収穫が終わると同時に採取した土は、畑作業が休みになる冬の間、詳しく分析されます。これは今もオーナー自らが行う重要な仕事です。11月下旬。雪が降る前に、タケダに協力して下さっている葡萄栽培家の皆さんに手伝って頂きながら剪定をします。「一般的には、以前は1ヘクタールからの収量が多くなるように心掛けた栽培が主流でした。でも葡萄の質を考えると、収量を減らして一粒一粒を充実させる事が必要です。仏ではワインの等級によって、一定面積からの収量上限が法律で定められています。それは大変シビアなもので、国が抜打ち検査を行い、悪質な違反が見つかるとワインの等級を下げられてしまう事さえあるのです。時には剪定した畑を見て調査するんですよ。」シャルドネ種の場合、一本の樹から二本の枝だけを残して(ダブル・グィヨー)あとは切ってしまいます。しかも、その枝の長さは約30cm。みなさん想像してみて下さい。約1mの樹から30cmの枝が2本ヒョロ。素人の私なぞは「ワインが造れるほどの葡萄が果たして採れるんだろうか。」と心配になる程さびしい眺めです。「どれを落としてどの枝を残すのか。それはその人の哲学です。私が仏で学んだのは醸造技術だけじゃなくて、むしろその事の方が大きかったと思います。」典子さんは(葡萄栽培の含め)ワイン造りの中で剪定作業が一番好きだとおっしゃいます。腕の見せ所ですね。切落とした枝の上に雪が積もり長い冬が来ます。
 雪が溶けたら棚直しと枝集め。3月下旬。枝を“支え”のハリガネに留め誘引を行う頃、剪定した切り口からポタポタと樹液が滴る様子は感動的です。乾いて表面がひび割れた畑で、枯れ木みたいに見える枝の先が、日ざしの加減でキラッと光ったりすると思わず“雫”を飲んでみたくなります。(私と子供たちは昨年実行しました)今年の誘引は3月第4週にはじまりました。私の訪ねた4月15日は晴天。虫と花粉症対策として完全防備のスタッフが黙々と仕事に励んでいました。いつもにぎやかな人達だけに、その姿は異様であります。「少人数でこの広さ(15ヘクタール)ですから一所懸命にやらないと終わりません。」(スタッフ談)ごもっともです。失礼な事を申しました。
 畑仕事は、駆け足で進む季節との追いかけっこです。やるべき“時期”は決まっています。4月下旬余分な芽を取る「芽欠き」と樹そのものから芽吹いたのを取り除く「胴吹きとり」に2週間かかります。これによって風通しが良くなり、葡萄に太陽の光が当たるようにします。病害虫に強い葡萄に育てる為にも手抜きは出来ません。6月「夏誘引」、そして開花。7月成長点を切る「夏切り」。8月摘果。9,10月収穫と続きます。工場での瓶詰めや仕込みも平行して行われているので非常に忙しい毎日です。その辺りのお話は、また今度に致しましょう。
6月のシャルドネ畑

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