〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.20【2007年春号】 のMENUは・・・
■ 菅井由美子のワイナリーひとり探検隊
■ ワイナリーもの語り
■ こちらもご覧あれ。
■ 満開の桜の下。花よりワイン?!しませんか。

冬はどこへ?お山にだけ来たのね。

暖冬といわれるこの冬は、山形でも“らしくない”まま終わりそうです。町中で雪を見る事も無く、雪捨て場(雪かき後の雪を持込む、市指定の場所)の河川敷は土がむき出しになっています。保育園に通う三男は1度も雪遊びができずガッカリ。もっとも、蔵王のスキー場は通常通り営業していて、次男の小学校のスキー教室は無事行われました。

2月中旬、タケダワイナリーを訪ねました。葡萄の樹上に雪は全くなく、地面が見えない程度の積雪。長靴さけ履けば畑に入って行けそう。昨年の今頃は、樹が雪に埋まって、いかにも可哀想だった。どんなにか春が待ち遠しいかろう、と思ったものだ。

2月中旬の葡萄畑

でも今年は気配が違う。「スキあらば伸びちゃうもんね。」的覚醒状態にある様に見える。本当のところはどうなのか。典子社長に訊いてみよう。

「実際、2月初旬のえらく暖かい日が続いた時は、葡萄が芽吹くのじゃないかとビクビクしてました。積雪でまだ畑に入れないのに芽が出たら大変だ、と。」幸い樹はまだ休眠中だが、本当の気がかりはまだこれから。

暖冬のときは冷夏になると言われる。経験からも、その心配はある。「今年はどうなのか。土の中の微生物にも影響があるかもしれないし。この雪の少なさは私には初めての事で・・・。ただ心配していてもしょうがないので、今年はとにかく“備える”ことにしようと、スタッフと話しています。」というと?「例年、3月半ばまで掛かっていたワインの瓶詰めを、何とか2月中に終わらせ、3月になったら、即、畑作業スタート。天候が読めない分、より目と手を掛けて補っていこうと。

手始めに、葡萄の樹皮を剥くカイガラムシ対策だ。カイガラムシは害虫で、アブラムシの仲間だそうだ。園芸をやっておられる方はご存知かもしれない。庭木、果樹等の樹皮の割れ目や粗皮下に卵を産み付け、幼虫になってからは樹皮を吸って生きる。カイガラムシの出す液は甘く、アリや植物の病菌を呼び寄せる基になるという本当に迷惑な奴だ。「樹皮を剥いで、越冬中の虫を日に晒すといいんです。葡萄農家は皆やっていますよ。樹も虫も休眠中に手を掛けて、病害虫がつきにくい環境をつくります。」

畑の薬剤使用を抑え、自然農法によって葡萄本来の力を引き出す。−先代社長・武田重信氏の心を引継ぎつつ、典子氏の新たな試みは、畑でも毎年続けられている。「ワインを良くしたいと思ったら、やっぱり畑から始めないと。『良い葡萄』のために、出来る事がもっとある。可能な限り葡萄のポテンシャルを高めたいんです。良い畑と、とても良い樹を受け継ぎましたからね。今年はこれをやろう、あれもやってみようと、心が奮い立ちますよ。毎シーズンが楽しみです。」春の芽吹きのウズウズは、ひとあし先に典子氏に訪れていたようだ。



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