〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんはタケダワイナリーの葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.23【2007年冬号】 のMENUは・・・
■ 菅井由美子のワイナリーひとり探検隊
■ ワイナリーもの語り
■ こちらもご覧あれ。
■ 冬を彩るワイン

発泡酒いろいろ<1>

例年より遅くなりましたが、今年も無事葡萄の収穫が出来ました。8月に雨が少なく、日中しっかり暑かったお蔭で、なかなか良い葡萄になってくれた−との事。今年も良いワインを造ろうとスタッフ一同張り切っています。
この秋新発売の「タケダワイナリー サン・スフル(白) 微発泡 山形県産デラウェア種100%」。
一番の特徴は、日本では先駆けの瓶内一次発酵の発泡酒だと言うことです。
タケダ・ワインリスト筆頭「キュベ・ヨシコ」は瓶内二次発酵
どちらも発泡酒ですが、どう違うのでしょう?
今号から2回にわたり、そこのところをじっくり探検して行こうと思います。
メソッド・アンセストラル伝来の、昔ながらの方法という意味。瓶内一次発酵です。素朴であるが故、労力の要るつくりです。しかも「サン・スフル」は酸化防止剤無添加。美味しいワインにするために衛生面でも細心の注意を払います。
手順を紹介します。

@果汁を搾る
厳選した果実を搾り機にかけ、果汁を取り出します。圧力をかけず、滴り落ちてきた汁は“フリーラン”と呼ばれ、アクが少なく澄んだ味がします。原料はこのフリーランのみを使用。通常は、ここ果汁の段階で酸化防止剤を入れますが、「サン・スフル」は勿論なし。一晩置き、果汁のにごりを沈めます。
A果汁タンクに酵母を入れる
果汁のにごり部分(小さい果実片など)を取除き、ワイン酵母を投入。発酵が始まる。
B瓶に詰める
酵母菌が糖を食べ、アルコールと二酸化炭素を出すのが発酵。液に糖分が残っている発酵途中で瓶詰めすると、瓶の中で逃げ場を失ったガスは、ワイン中に溶け込み、発泡酒となるのです。手作業で1本1本瓶詰めし、王冠をします。この作業は、一気にやってしまわなければなりません。明日になれば、タンク内のワインの状態が変わってしまうからです。
C瓶内発酵させる
室温15〜20℃の地下セラーに寝かせ、3〜4週間。瓶の中は3気圧の発泡酒になります。働き終えた酵母が、澱となってにごっていますが、敢えて澱引きはしません。出来上がりです。


葡萄と酵母だけで造った、自然派ワイン。仕込みのどこかで、少しでも雑菌が入ったらワインとして飲めません。また、発酵の進み具合をこまめにチェックし、ここぞというタイミングで、全量を仕上げます。この時期、ワイナリーは葡萄の収穫、仕込みと猫の手を借りたい程の忙しさ。「二千本を3人で詰めました。正直、スタッフは泣きながらの作業でした。私自身、なんでこんな大変は事始めちゃったかなと少し後悔しました。」でも。出来上がってみれば「美味しいねえ。」
全く新しい試み、手作業ということで、限定2000本の生産でした。発売から2週間で、半分売れてしまいました。工場見学にいらしたお客様に大好評を頂きまして・・・。このお便りが出る頃には、「品切れの可能性が高いので書かないでください。」とスタッフの声がありましたが、このワインを知って頂きたくて記事にします。
姉妹品「サン・スフル赤」は手に入るそうです。来年の生産量はお客様の声を参考にしたい、と言っている疲れ気味のスタッフに暖かい励ましのお言葉を頂戴できれば嬉しいです。


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