〜タケダワイナリーのホットな裏話を毎回楽しくお伝えします〜
菅井由美子さんは昨年の秋にタケダワイナリーの葡萄収穫を体験し、その後もワイナリーでいろんな仕事を経験した山形市在住の主婦です。子育てをしながらワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えします。
Vol.7【2003年冬号】 のMENUは・・・
■ ワイナリーひとり探検隊!
■ スタッフ紹介−斎藤美智子(さいとうみちこ) 氏−
■ ワイナリーの裏話・・・

「今回は仕込みについてレポートします。」
突然ですが蟷螂(かまきり)予報によると今年は雪が少ないそうです。古くから伝わる“自然天気予報”ってありますね。猫が顔を洗うと雨が降る等の。蟷螂が木の高い位置に卵を産みつけた時は大雪、低い時は少ない年といいます。「今年は低い」という事ですがどうでしょうね。ワイナリーでは、10月で収穫も終わり、今「仕込み」の最中です。果物の葡萄がお酒に変身するまでを「仕込み」と言いますが、ここタケダワイナリーでは瓶詰めまでをその工程としています。畑での収穫作業と並行して行われ、且つ(仕込み中は)一日も休みが無い、一年で最も忙しい時期です。赤と白、仕込みの方法は違うんですか?「はい。白の辛口と甘口でも異なりますよ。」ワイン→醸造→仕込みと連想するのは(多分)私だけでは無いでしょう。素人目には“これぞワイン造り”、今回は「仕込み」についてレポートします。
白・辛口。
@果汁搾り。葡萄を茎から外し圧搾機に入れる。果実の入ったドラムをゆっくり回転させ、自らの重さで流れ出た果汁(フリーラン)を発酵用タンクに入れる。
A果汁に乾燥酵母を植える。酵母は自家製?「いえいえ。ドイツのガイゼンハイムという大学の研究所のもので輸入品です。」
B2〜3週間掛け発酵させる。葡萄の糖がアルコールに変わるのにこれくらいの期間が必要で、発酵が終わる頃丁度11〜12%のアルコールとなる。
C発酵を止める。亜流酸ガスを注入する事で、残っている酵母を死滅させる。と同時に、酵母がいなくなって始まるワインの酸化も防ぐ事が出来る。
「酸化防止の方法としてはこれは歴史が古く18世紀のナポレオン時代の記録に残っているそうです。」そんな昔から!この方法が確立されたお陰でふる〜い(高価な)ワインが現存するのですね。尚、「無添加はこの工程がありません。」
D酵母を沈殿させる。
E上澄みを瓶又は樽に詰める

白・甘口。(アイスワインを例にします)
@収穫した葡萄はそのまま-25℃でカチコチに凍らせる。「ドイツ等寒い所と違い人工凍結させています。」
A1〜2晩5℃の部屋に置く。
B圧搾機に入れる。果実の水分が凍っている為、流れ出たフリーランは“糖”そのもの。果汁の糖度を見つつ圧力を掛ける。「氷が溶けない内に果汁を搾ってしまいます。」
C酵母を植え発酵。「辛口との違いは、果汁の糖度が非常に高い為、アルコール11〜12%に達しても糖が残っている点です。」・・・以降は白・辛口と同じ。

赤ワイン。「葡萄の皮が黒く(濃く)ないと赤ワインになりません。」
@茎を除き実(粒)のままタンクへ。
A酵母を植える。
B発酵。「発酵が始まると、ガスで実が浮き上がってしまうんです。これを“シャポー”帽子と呼びます。シャポーになると困る事が2つある。皮の色・味が充分に抽出できない。上部分が乾いて雑菌がつく。そこで・・・Cへ
C「醸し」(かもし)を毎日欠かさず行う。タンクの上から棒でシャポーを突いて液に浸す「ピジェ」、下から液を抜いて上から掛ける「ルモンタージュ」と“醸し”には2つの方法があるが、どちらも酵母に酸素を与える事になり、より発酵が進む。
Dシャポーの下の液(フリーラン)を抜き樽や瓶に入れる。
Eシャポーを圧搾機で搾る(プレスラン)
現在タケダでは、一升瓶「蔵王スター」にプレスランが少し入るだけで、それ以外のワインはフリーランのみで造られています。エグミの少ないすっきりした味に仕上がるそうです。赤のプレスランが滴る様は美しく、ウチの次男曰く「紫色の真珠が落ちてくるみたい。」ですよ。

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