ワイナリー通信

2019年 今年の葡萄畑を振り返る

Winery通信 WINTER Vol.70

令和元年台風15号、19号により被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げます。皆様が一日も早く平常の生活ができますよう心よりお祈り申し上げます。

 冬号恒例「今年の葡萄はどうなのか」岸平典子社長に伺います。
 台風が相次いで大変な年でした。黒葡萄の収穫前だなと気になっていたんですが、どうですか。収穫は出来ましたか?
岸平「黒葡萄は採れました。むしろ豊作です。どちらかというと、葡萄畑の大敵は"かぜ台風"なんです。葉っぱがちぎれ飛び、実が擦れて傷みますから。今回は"雨台風"。この辺りに限っては、まだ許容できる量の降り方でした。うちは畑の水はけが良い。まあ、水分で果実が張る感じはありますが心配はない。」
 今年の春は普通にやって来ましたよね。そのあたりから順を追ってお話ください。
岸平「6月は空梅雨でしたね。順調に生長。7月になり、寒い日が続きました。ちょうど白葡萄シャルドネやデラウェアのベレゾン(色づき期)。日照不足の感がありましたけど、気温が低いため、病気はほとんどなかったです。
 お盆の頃は晴天が続き暑く糖がのりました。ベレゾンの日照不足の影響でしょう、インパクトのあるワインというより、エレガントな仕上がりになっています。」
 白葡萄は平年通りという事ですね。
岸平「収量は例年より多めです。サン・スフル白をいっぱい造りましたよ。」ピノ・ノワール4.JPG
黒葡萄はどうですか。
岸平「ご存知でしょうが黒は秋収穫です。8月の晴天の下、ベレゾンまではとても良かったですね。いいぞぉと期待していたんですが、台風が来ました。去年"かぜ台風"で大分やられましたのでねえ。とにかく備えるしかなかろうと手を掛けました。葡萄の房に掛けている紙の笠を直す。葡萄棚のビニールを補正する。白ワインの仕込みと並行してなので、スタッフの数も限られるし。てんてこまいでした。」
 社長はこの時期、一日も休みがないそうですね。雨による実割れはなかったんですか?
岸平「畑の水はけが良いから、それはなかったです。収量、まあ重さですね。多かったですよ、協力農家さんも含め。だから、タケダワイナリー ルージュとサン・スフル赤をいっぱい造りました。」
 いいですねえ!で、サン・スフル ロゼは?ベリーA.JPG
岸平「はい。ありません。」
 ナミダナミダ...。
 2019年収穫サン・スフルはいっぱいある。良いニュースが聞けました。

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著者プロフィール

菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から高校生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。