ワイナリー通信

お客様の声 【サン・スフル 赤(辛口)について】

Winery通信  spring Vol.59

●発泡酒じゃないのに舌にピリピリする刺激があるのはなぜですか?(福岡県 Y・T様)

●飲むときの適温を教えてください。冷やすのか他の赤ワインのように常温に戻すのか、どちらが正しいのでしょうか。(神奈川県 I・M様)

 

サン・スフル2014_750赤辛.jpgいつもご愛飲いただきありがとうございます。「サン・スフル」シリーズは①酸化防止剤不使用②無濾過③非熱処理(非加熱/非冷却)を特徴とする、昔ながらの造りで仕上げたワインです。白・ロゼ・シードルは瓶内でアルコール発酵を継続させるため、ガスがワインに溶け込み発泡酒となります。

一方、もろみと長く触れることが必要な赤はアルコール発酵終了後瓶に詰めるため、スティルワイン(非発泡)となります。さらに「サン・スフル赤」では、酸化を抑える工夫として、赤ワインをまろやかにする乳酸発酵の工程を瓶内で行っています。舌にピリピリ感じるのはその発酵ガスです。

次に、適温についてですが、一般的に赤ワインは(タイプにもよりますが)10℃~20℃といわれます。「サン・スフル赤」は飲み頃温度の幅が広いワインです。この範囲(10℃~20℃)それぞれに美味しさがあります。スッキリ飲みたい時には低めの温度、たっぷりとうま味をあじわうには高めの温度がお勧めです。季候や料理に合わせていろいろお楽しみください。

 

 

 

 

なにしろうまい 【2017春編】

Winery通信  spring Vol.59

タケダワイナリー 蔵王スター1.8L[白]うまい_白一升.JPG

全く発泡しないのにハジケル美味しさです。これは大変。気がつきゃ一升飲んじゃうよ酒。小麦粉かな?とパスタをサッと作ってみたが、パスタそのものが今ひとつ合わん。然らばとチキンカツを合わせてみたら大ヒット!ホワイトミートが相性良し。アスパラのフライも好さそう。サラダはアボカド・トマトよりも蓮根が良かった。串カツ屋に持ち込みたいぐらい美味い。

タケダワイナリー サン・スフル[赤]うまい_サンスフル赤.JPG

より辛口になった気がする。イキイキとした味わいに羊肉を合わせる。塊肉はお高いので、羊の薄切りをくるくる巻いて串に刺す。塩・黒胡椒に、コリアンダー、クミン、カルダモンをそれぞれふった何種類かを用意しグリルで焼く。美味いです。手元でチリパウダーをちょっとふってもOK。瓶底の澱は、人参を芯にした豚肉の八幡巻きを煮るのに使う。だし醤油にちょっぴり味噌を加えた簡易版。酵母の働きだろうか肉が柔らかく仕上がりなかなかのうまさ。

2016年のはたけの話

Winery通信 2017 spring Vol.59

 

3年ぶりに蔵王スター白の一升瓶が店頭に並びます。ラベル記載はありませんが2016年収穫醸造です。

昨年の畑はどうだったのか教えていただきましょう。お話はお馴染み社長岸平典子です。

岸平「昨年の山形は空梅雨で、8月は次々と台風が通過、9月中旬以降はずっと雨。ちょっと難しい天候でカベルネ1.JPGした。葡萄に付く病気の発生は少なく、その点は良かったです。」

葡萄が熟してから随分雨が降って私は心配しましたが。

岸平「葡萄の栄養生長期が天候に恵まれ、樹がしっかりすると強い果実になる。2016年は生長期も、べレゾン(色付き)が始まった時期も日照が十分だったので大丈夫でしたね。2015年はこの時期が雨に祟られて黒葡萄が辛かった。」

個別に伺います。白葡萄はどうでしたか?

岸平「デラやシャルドネは平均点以上の良い出来でした。9月の長雨前に収穫を迎えたシャルドネは特に良

かったですね。デラは8月の台風の影響が出ましたが、収穫期を長くする事で十分な原料を確保できました。以前はすべて完熟マックスでの収穫をお願いしていたのですが、秋雨の影響を受けやすく、実に傷みがでるリスクが伴います。天気予報を見て、必ずしも追熟(もうひと押し熟れるのを待つ)していなくても収穫可能にしました。もちろん完熟頂点の果実が主ですが。」

その変化はワインにも表れていますか?

岸平「ええ。今回はワイン用として栽培された有核(種あり)葡萄の割合が増えたこともあり、風味が増しシャープになっています。」

黒葡萄はどうでした?

岸平「黒葡萄も品質は良い。ただ、収量が少なかった。これはうちに限らず、どこでもそうでしたね。空梅雨の影響かなと思っています。量は少なくとも良品の葡萄が採れた場所と、量・質とも残念なことになった場所。畑の管理の在りようで結果に大きな差が出た年でした。」

黒葡萄は9月末から10月あたまが収穫期ですよね。ベリーA.JPG

岸平「んだね。いつ収穫すべきか悩んだ、今回も。赤ワインは特に皮や種の成熟度が大事だから。」

でも無事に収穫できたんですね。

岸平「まずまずだね。強烈なキャラクターはないけれどエレガント。緻密で繊細なワインが出来ると思います。ただねぇ。原料の絶対量が足りなくて赤の一升瓶は今回ありません。それと、2015年に続きサン・スフルのロゼが造れませんでした。」

ええええ⁉ホントですかっ!・・・ショックです。

岸平「私もショックです。今は在庫が1本もなく、私も飲むことが出来ません。飲みたいなぁ。」

なんという事でしょう。衝撃が大きくてその後は音が遠くなる感じでした。有核(種あり)に切り替える葡萄農家が増えた背景や、その際のご苦労などもお聞きしましたが、また今度とさせて頂きます。

忘れないためのワイン『vin de MICHINOKU』

Winery通信 2016 winter Vol.58

以前紹介した、ワインをコップで楽しむイベント『コップの会』。2014年3月仙台市で開催された時にその話が「決まったらしい」(談:岸平典子氏)。

らしいーとはどういう事で?Vin de MICHINOKU2015(2016.03.11_3).jpg

岸平社長「コップの会終了後、打ち上げで気分よく飲んでいたら、一緒に来ていた酒井さん(酒井ワイナリー)と佐藤さん(紫波フルーツパーク)に、『造るのは典子さんに決まったから』と言われまして。話を聞いてなかったので、ナニカと問うたら、東北六県の葡萄でワインを造るぞ!と。」

 それが、『ヴァン・ド・ミチノク』の始まりだった。仏国の著名な醸造家ティエリー・ピュズラとオリヴィエ・ボノームが、大震災のあった年に東北を想い『キュヴェ東北』と名付けたワインを醸造した。2014年日本に届いたそのワインはこの日を忘れないために、3月11日全国のビストロ等で一斉に抜栓された。仙台市では『ブラッスリーノート』当時(現『バトン』)の板垣卓也さんが主催し、その数日後同じ会場でコップの会が開かれていたのだ。

岸平社長「ところが翌年の『キュヴェ東北』は諸事情により入荷しないと板垣さんに聞き、んだら東北葡萄でワインを造るべし!となったのです。」

板垣さんを中心に、飲食店・酒販店・醸造家が仲間のツテを頼りに原料を探し運搬した。

岸平社長「葡萄の確保から運搬、ラベル貼り等は皆手弁当。ワイン関係者が一年で最も忙しい時期に、休日返上で秋田・岩手のワイナリーから葡萄を持って走って来る。人の気持ちってすごいなと思いますね。」

タケダもタンク1個をミチノクにあてがうので、その分自社製品は後回しになる。

岸平社長「青森は飲食店の人とお客様が葡萄を運んでくれました。収穫済みの山葡萄が待っているつもりで行ったら山に案内され"採っていって"。」

水さえ待たず、あるのは葡萄だけ。飢えや虫と闘いながら300㎏収穫し、そのまま山形に。タケダに到着したのは21時。『朝8時から葡萄しか口にしていない』とクタクタになりながら届けてくれた。

岸平社長「ミチノクには①東北六県の葡萄、②野生酵母、③無添加の3つの決まりがあります。初めての品種、しかも混醸(全品種を合わせて醸造)は初挑戦。難しかった。失敗が許されない酒ですから緊張しますね。」

2014年秋に醸造し2015年3月にリリースしたのが第一回。今年、三回目を仕込んだ。Vin de MICHINOKU2015(仕込_2).jpg

岸平社長「近頃編み出した作戦は毎日声がけすることです、発酵中の酒に。『がんばれ』とか『今日は調子いいな』とか。スタッフにもお願いして実践してもらっているんだけど、若者はやってくれないなあ。」

たくさんの人の想いが詰まった『vin de MICHINOKU 2016』は、2017年3月11日に抜栓される。

※「vin de MICHINOKU」に関するお問い合わせは、バトン(板垣代表)batons@macuisine2002.comへお願いいたします。

なにしろうまい 【2016冬編】

Winery通信  winter Vol.58

KAMIOGINOTO843-5_2014.jpgタケダワイナリー KAMIOGINOTO 843-5[赤]

繊細且つ素直なワイン。凝りすぎた料理は避けたいところ。鶏手羽を醤油+味醂+スライス大蒜に一晩漬け込みグリル焼きにする。大本命はホットサラダ。カリフラワー・南瓜・人参・蓮根を蒸す。好みのドレッシングで食べる。私的にはシーザーサラダドレッシングかな。クリーミーなものが合いそうだから。簡単に、クラッカーにクリームチーズを乗せただけも美味しい。うまい_まだラベルがない上荻野戸.JPGのサムネイル画像

 

 

 

サン・スフル・シードル発泡2014.jpgタケダワイナリー サン・スフル シードル[発泡]

辛口食中酒として立派に成長したシードル。ドライでボディがしっかりしているので、魚を合わせてみよう。鮭+じゃが芋+しめじのキッシュ。卵のやさしい風味が林檎の爽やかさとよく合う。飲み進みボトル下の濃いところでは、もっと香りの強いキノコにすれば良かったかと感じる。次回は舞茸かな。買ってきたタルト台を使って楽して美味し。

うまい_シードル冬.JPGのサムネイル画像

 

 

 

 

 

お客様の声【新発売『KAMIOGINOTO 843-5』の名前の由来は...?】

Winery通信  winter Vol.58

ご愛飲いただきありがとうございます。KAMIOGINOTO2014_750赤_表.jpg

『KAMIOGINOTO 843-5』は、葡萄畑の所在地です。漢字標記は『上荻野戸』。山形県天童市の干布(ほしぬの)地区内にある地名です。

仏国では畑に呼称があり、ワインによっては収穫した畑の名前がそのまま商品名となっているものもあります。例えば「ロマネ・コンティ」はその代表格です。日本でも「国産ワインの表示に関する基準」が改定され、2018年秋より、原産地などの表記が義務付けられます。これに先駆けて原産地を明記し、いっそのこと商品名といたしました。ラベルの模様は畑の形です。

J2モンテディオ山形のホームスタジアムにほど近い、果樹園の多い地"上荻野戸"の風景を想像しながら味わっていただければ幸いです。P8230573.JPGP8230567.JPG

この秋、新しいワインがデビュー

Winery通信 2016 autumn Vol.57

タケダでは、収穫した畑ごとに別タンクで醸造し製品化の際にブレンド。各個性を活かしたバランスの良いワインに仕上げます。

これに対し、ひとつの畑から収穫した葡萄だけで造られたワインがあります。『ドメイヌ・タケダ 古木』。ワイナリーで最も古い畑、樹齢を重ねた葡萄だけで造られたお酒です。その意義はテロワールにあるといえましょう。この1本には"樹"の個性、すなわち土地の個性がギュッと詰まっています。色、香り、味ーワインの要素を独りで表現できる葡萄だけが、畑の名を冠することが出来るのです。

さて、前置きが長くなりました。色付きを待つワイン専用葡萄の姿-小粒な実がまばら.JPG

この度タケダから登場するのは、単一畑の葡萄を原料にした『タケダワイナリー KAMIOGINOTO 843-5 2014年収穫 赤辛口』です。天童市上荻野戸産ベリーA 花輪周一郎栽培100%使用。

サン・スフル赤の原料は天童市上荻野戸地区の葡萄農家が作っています。そのグループのまとめ役は花輪和雄さんです。『KAMIOGINOTO 843-5』は、和雄氏の跡を継いだ息子・周一郎さんが特別栽培した葡萄を100%使用し、タケダ古木シリーズ同様に樽熟成しました。

高い品質のベリーAをタケダに納め続けている花輪さんですが、ベリーA古木に並ぶような、より高品質なワイン用葡萄の栽培にはご苦労されたようです。木の剪定から房の作り方、収穫時期など、栽培の仕方をいちから見直しました。岸平社長に相談しながら作ること3年。2014年収穫でようやく、単独ワイン醸造に至りました。

天童市の、満々と日の当たる畑で、典子社長と周一郎さんに話をうかがいました。

このワインを造った経緯を教えていただけますか?

花輪「タケダさんの古木畑を見た時に、もし同じくらい良い葡萄を作ったら、ウチので単品ワインを造ってくれるだろうかーと思ったんです。そしたら岸平社長が"やっべ(やりましょう)"と。」

それは誇りやモチベーションとして?

花輪「第一はそれ。それと葡萄の付加価値を高めたい。私より若い世代が農業を職業に選んで、つないで行って欲しい。それには"価値あるもの"を作る実感と、生活出来る収入が必要です。私の葡萄が1本のワインになったら、"俺も"と続く若者が出てくるかもしれない。」

葉っぱを除き光が降り注ぐ。下からの照り返しも眩しい.JPG岸平社長「良い葡萄を作ってくれる人がいなければ、私たちは何も出来ません。質の高い葡萄を使い、高品質なワインを造ることで、農家と私達に新たな可能性が見えました。そして何より、飲む人に山形の豊かさを知ってもらうことが出来る。ぜひ、飲み比べてテロワールの違いを味わって欲しいです。」

同じ品種で同じ醸造者が造ったワイン。原料(産地)によるキャラクターの違いを楽しみたいと思います。

こちらもご覧あれ【2016秋編】

Winery通信 2016 autumn Vol.57

サライ 10月号 小学館発行 定価850円(税込)

ライフスタイルの提案と、日本人が受け継いできた美意識に迫る大人のための生活実用誌。

錦秋特大号は、注目が高まっている「日本ワイン」特集です。

《注目の生産者を訪ねる》にタケダワイナリーが、《今、飲むべき日本ワイン30本》にサン・スフル白が、ピックアップされています。ぜひご覧ください。ワインキーパーの付録付きです。

なにしろうまい 【2016秋編】

Winery通信 2016 autumn Vol.57

蔵王スター特別限定2016赤.jpgのサムネイル画像タケダワイナリー 蔵王スター特別限定醸造ワイン[赤]

夏の暑さに耐えた体にご褒美となるフレッシュなビタミン味。山形内陸人としては牛肉&醤油を合わせないと納まらない。牛薄切り、糸こんにゃく、ササガキごぼうを醤油でさっと煮つける。今日の気分で、おろし生姜を隠し味にちょびっと入れる。これで今年も無事秋がきました。限定醸造_赤.JPG

 

 

 

サン・スフルデラウェア種2016白.jpgのサムネイル画像タケダワイナリー サン・スフル[白] 2016年収穫

多少強い風味の食べ物でも大丈夫。夕顔と鶏もも肉のカレー風あんかけ。

①4㎝角に切った夕顔と鶏肉をオリーブ油で炒め、黒胡椒コリアンダーをふる。②水とコンソメを入れ火が通るまで煮る。③カレー粉を入れ、角切りトマトを加える。④味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつける。

豚しゃぶに大根おろしをのせて野菜と共に。サン・スフル白.JPG

お客様の声 【ブラン・ド・ノワール樽熟成 白(辛口)について】

Winery通信 2016 autumn Vol.57

●黒葡萄のマスカット・ベリーAから、どうやって白ワインを造るのですか?(秋田県・K様)樽熟成_ブランドノワール白辛口2014.jpg

●"樽発酵"と"樽熟成"は何か違うのでしょうか?(東京都・I様)

ワイナリーにお越しいただきありがとうございました。

ベリーAは、主に赤ワインの原料となる黒葡萄です。黒葡萄から白ワインを造ることを意味する、『ブラン・ド・ノワール』。造り方は、皮の色が出ないよう黒葡萄を緩く絞り、その果汁だけを発酵させます。搾った直後の果汁は皮の色が残った淡いピンク色をしていますが、発酵していく中で自然と退色します。ちなみに、赤ワインは果実を皮・種とも丸ごと醸造し、皮の色を抽出します。赤ワインの色は葡萄の皮の色なのです。

次に、このワインのもう一つの特徴である『樽発酵』についてです。まず、オーク樽に直接果汁を入れ発酵を行い、そのまま樽で寝かせて熟成させる方法です。樽と長く接しますが、樽香はむしろやわらかく仕上がります。これに対し、タンクで発酵を行い、ワインになったものを樽に詰め寝かせるのが『樽熟成』です。樽の香りを強く出したい場合などは、『樽熟成』が有用だと言われています。造り方による味わいの違いをお楽しみください。

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著者プロフィール

菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から中学生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。