Winery通信 SUMMER Vol.68
東京オリンピックを前に"インバウンド"に注目があつまっています。山形はあんまり関係ないかと思っていましたが、そうでもないようです。
専務・岸平和寛氏からお聞きしたところ、近頃「海外からの引き合いがちょくちょく来るようになった」そう。会社に電話が来ることもあれば、フェイスブックに問い合わせが入ることもある。なかには直接ワイナリーを訪ねておいでになる方も。
岸平「このワインはお前のとこのか?と写真データ添付でイタリアからメールが来て。"東京で飲んで美味いと思った。また飲みたいがどうしたらいいのか"という問い合わせだったよ。」
へええ。帰国しても忘れられなかったんですね。母国の食べ物と一緒に飲みたいということでしょう?
岸平「そうだろうねえ。先日は、やっぱり来日した際にレストランで飲んで、自分のショップで扱いたいと米国人が来社しました。」
どんなワインが人気ですか。
岸平「問い合わせは『サン・スフルシリーズ』が多いですね。日本のレストランで勧められて飲むのが多いようです。世界的にナチュラルワインが流行しているのも関係あるでしょうね。お店でタケダワイナリーのことを聞いて興味をもち来社。試飲の結果『古木』も扱ってみたいと言われることも。ご自身がレストランやワイン販売店を営んでいる方が多いですね。」
海外の寿司屋とか?WASHOKU的なお店?
岸平「いや。それぞれの国で普通の―ヘンな言い方ですが―レストランらしいですよ。」
そういえば以前、仏国で日本人が営むフランス料理店が『サン・スフル白』を常時リストに載せているという話を伺いました。
岸平「その方は今、自分の店だけでなく欧州各地の飲食店やワインショップに『サン・スフル』を卸す仕事もなさっています。フランス、ドイツ、それとメキシコなど。現在、2018年ヴィンテージを昨年の倍以上注文いただき、ほぼ予約済みと聞いています。日欧EPA発効によって輸出入し易くなったので、数量が増えましたね。」
ちなみに、仏国では日本と同じくらいの値段で販売されるのですか?
岸平「いやいや。関税や輸送費など加算されるので、日本よりはぐっとお高くなりますよ。」
おお。そうですか。お酒の中心がワインという国でも、個性をもつ美味しいワインとして選ばれているのですね。
岸平「そうであるならワイナリー冥利に尽きますね。」
嬉しい話だと思いながらも、せっせと『サン・スフル』を造ってくれるよう、ねっづぐお願いしてしまった。地元に居ても、入手しづらい銘柄であるからね。
どうか、いっぱい造ってね。
*ねっづぐ...「熱心に」「一生懸命」「しつこく」の意味を全て含んだニュアンスの山形弁
菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から高校生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。