Winery通信 SUMMER Vol.68
先日はワイナリー見学にお越しいただきありがとうございました。「サン・スフル」と「ペティアン」は、どちらも県内の協力農家さんの葡萄から造られた「タケダワイナリーシリーズ」の発泡酒です。「サン・スフル」は無添加・無ろ過・非加熱のナチュラルワイン。「ペティアン」は当社ベーシックワインの「タケダワイナリー」の発泡タイプとなり、酸化防止剤を添加しています。
醸造の方法も異なります。
サン・スフルは、原料の中でも選りすぐりの質の高い葡萄を使って醸造します。可能なかぎり酵母は加えず、畑で付いてきた天然酵母で醸します。タンク内で発酵が始まってしばらくたったら、発酵中のもろみ(果汁とワインの中間のもの)を瓶に詰めます。瓶内ではそのまま発酵が進んで、酵母が果汁の糖分を食べながらアルコールとガスを造り続けます。発酵が終わったころには、瓶内の圧力も上がって発泡ワインになっているのです。これは<瓶内一次発酵>という手法です。
これに対し、ペティアンはタケダワイナリー750mlとして出来上がったワインに酒母と砂糖を加えて瓶に詰め、栓をします。瓶の中で酵母が発酵し、砂糖をアルコールと炭酸ガスに分解します。これが<瓶内二次発酵>です。酒母は、酵母をワイン(アルコール)に負けないように育て増やした、ワインの種のようなもの。自社で10日程かけて作ります。
どちらも瓶中の発酵によってガスが液体に溶け込み、キメの細かい泡が出来ます。炭酸ガス充填タイプの飲料にくらべ泡が抜けにくく、抜栓2日目でも発泡酒としてお楽しみいただけます。
それぞれの個性のちがいをぜひ飲み比べて下さい。
(サン・スフル白の次回の発売は、11月を予定しています。)
菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から高校生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。