ワイナリー通信

テーブルワインはコップ酒で?

Winery 通信 2014 spring  Vol.47

秋の収穫から仕込みが一段落する年末まで、醸造家は蔵を離れることができません。毎日醸造タンクの様子を見る必要があるからです。年明けから雪解けの3月までが出前仕事(出張)の多い季節になります。社長の岸平へお話しを聞きました。

 img-319191106-0001.jpgのサムネイル画像岸平「私たち醸造家はより美味しいワイン造りを目指して共に学ぶ場を設けています。並行して、カジュアルにワインを楽しんで頂くための活動もしています。」

菅井「どんな活動を?」

岸平「名付けて『コップの会』。テーブルワインは気楽にコップで飲もう!という提案です。ワインはグラスでまずテイスティングをするのが《本当の》飲み方だと思い、難しいとおっしゃる方がいますが、必ずしもそうではありません。それにお箸を使う和食に脚のついたグラスは使いづらいでしょう。」

菅井「ハイ。洗い難いしで、実は私、普段はチューリップ型のタンブラーで飲んでいます。」

岸平「私も含めワインを造っている者は、コップ派が多いんですよ。確かに、是非にもワイングラスで味わいたい本格派は有るけど、テーブルワインはもっと簡単に楽しんでもらいたい。美味しく飲めるコップを紹介しつつ、各ワイナリーお勧めのワインを実際に味わっていただく企画です。2011年2月に発足!?しました。」_MG_0072.JPGのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像

菅井「どのように行われるのですか?」

岸平「主催者は、趣旨に賛同してくれた各地域の酒屋さんです。一般のお客さんに参加していただき、コップでワインを飲んで美味しいものを食べながら、私たち造り手とワイワイ楽しんでもらうのが基本です。

今年2月に東京で開催した時は、"飲み会"を三会場設けてもらい、6件の醸造家が二人一組になって、1時間ずつ各会場を回りました。お好み焼き屋、ビストロなどいずれもカジュアルなお店です。評判が良くて、今年は名古屋・博多・札幌・仙台でも行われます。」

菅井「全国ツアーですね。」

岸平「はい。私たち『コップの会実行委員会』(※注1)も盛り上がっています。」

どんなコップが良いのか教えてもらいました。唇に当たる感覚が味覚を大きく左右するので、うすいガラス製が望ましい。色を楽しむ点では劣るが、磁器も悪くはないそうです。金属製は金気の味がしてしまう為、できれば避けたいところ。私は以前百貨店でワイン用タンブラーを探したのですが、輸入ブランド品1個¥6000以上と高価で手が出ませんでした。今回、非常に薄いコップが日本製にあると聞き早速購入。うすはりオールド300ml1個¥1700。確かに薄く軽いです。クリアな硝子は色も映えます。持った感じは水を手で受けたよう。口当たり柔らかく、スーとワインが入って来る。これは美味い!器でこんなにも味が違うのか。もう少し小振りな方が香りを味わえるかな。重ねて収納できる点もいいですね。スグレモノのうすい硝子コップ。これから長い付き合いになりそうです。

写真/土居麻紀子

 ※注1 : 興味のある方は『コップの会』フェイスブックhttps://www.facebook.com/kopwineにいいねしてね!!

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著者プロフィール

菅井由美子(すがいゆみこ)
山形市在住/弊社社長、岸平の高校時代からの友人。成人から高校生の3人の子供の母親。葡萄収穫をはじめ、ワイナリーでのいろいろな仕事の経験がある。それを活かしつつ、タケダワイナリーの今の様子をレポートタッチでお伝えしています。